はじめに
初級者用記事とは言いつつも、
・このカードがおすすめ!
・このデッキが使いやすくて強い!
というような記事ではないです。
そういった内容を期待していた方はスイカさんのブログの初心者向け記事を読むことをおすすめします。
内容としては、
「他TCGしかやったことの無かった私が、旧裏を始めた時に知りたかったこと」
について書いたものなので、
どちらかと言うと、旧裏というTCGについてや、プレイングの話が中心になります。
・殿堂ランクとは?
・オーキドは何故許されているのか?
・デッキ切れで決着が付く確率高くないか?
・逃げ0って何が優れているんだ?
大きく分けてこれら4項目について書いていきますが、
TCGプレイ歴は、
・ポケモンカード旧裏(買っていただけで未プレイ)
・遊戯王(2004~シンクロ終期)
・ガンダムウォー(14弾~18弾、23弾~27弾)
・WS(イクサ~無印アイマス)
・その他細々と色々
といった感じですので、TCG用語等については歴が長かった遊戯王からの単語を出すことが多くなると思います。
殿堂ランクとは?
簡単に言えば、強いカードの使用を制限するルール。
ゲームバランスを整える為に、このようなルールが作られることは、TCGにおいて特に珍しいことではないと思っています。
ただ、カード毎の枚数制限ではなく、デッキ単位での点数制という所が珍しいです。
2019年3月現在で遊ばれている殿堂ランクは
・新殿堂(公認自主イベント、全国の非公認オフ等)
・杉並殿堂(東京の一部の非公認オフ)
・高槻殿堂(駿河屋高槻店の公認大会)
の3つが主だと思います。
共通点は、1デッキに対してリストの中から8点分まで採用できる。というものです。
1~8点までのリストに関してですが、最初は採用枚数が変化する3区分として見るのが分かりやすいのではないか?と思っているので、その3区分についてそれぞれ書いていきます。
・5点~8点
1枚でゲームを終わらせるだけのパワーを持っている、または過去に持っていたカード。
点数が低い程、メタカードで崩壊したり、相手依存だったりと、他殿堂カードからのサポートを受けても許されるような隙がある。
・3点~4点
使うだけで勝ち負けを左右するようなパワーを持つカードであるが、2枚採用することが許されている。
上の区分と比べると、2進化だったり、コイン判定だったり、コストが必要だったりと、不安定さや厳しい条件を持っている。
・1点~2点
4枚採用することが許されている。
一方的にゲームを終わらせられる程のパワーは無いが、他と比べた時に上位互換になってしまう程度にはパワーのあるカード。
ここの1点~2点の区分に関しては、ゲームバランスを調整する為に制限する目的というよりも、下位互換になってしまうようなカードを救済するような役割を担っていると思っています。
また、2点グループは1点グループに比べて、サイド1枚に繋がるようなカードが多いように感じます。
※デッキ作成時の点数の割き方について
最初に
・デッキコンセプトを決めた後、メインギミックに殿堂ランクが必要かどうか
を確かめる
次に
・メインギミックの展開を助ける
・メインギミックの弱点を補う
のどちらかの目的で採用を検討する
という流れで作成するのが作りやすいと思います。
オーキドは何故許されているのか?
他TCGを触ったことがある人ならば、オーキドはかせというカードがどれ程強力な効果を持っているのかが分かると思いますが、旧裏界隈では「よく使われている必須カード」という程度の立ち位置です。
殿堂ランクという制限ルールはあるのに「オーキドはかせは強すぎるので使用を制限するべきだ!」というような意見は特に聞いたことはありません。
なぜオーキドはかせは許されているのかについて考えていきます。
1.そもそも1枚が弱い
多くのTCGであれば、モンスターを出せば攻撃ができるので、
「モンスターを出す=勝ちに繋がる行動をできる」
のですが、ポケモンカードは
「ポケモンを出すだけ=負けるのを引き伸ばす」
でしかありません。
基本的にはエネルギーを付けて技を使える状態にしないと勝ちには繋がりません。複数のカードを合わせることで、初めて勝ちに繋がる行動を取れるようになります。
2.気絶時のデメリットが大きい
1で話した勝ちに繋がる行動ですが、もう1つ条件があります。「バトル場に出して技を使う」ことです。
そして、バトル場に出すということは気絶するリスクも持ち合わせてます。
時間やカード枚数を使って育てたポケモンも、HPが0になり気絶してしまえば、付いていたカード毎、全てがトラッシュに行ってしまいます。
3.ゲームスピードの上昇
1と2を見てもらえば非常に燃費の激しいゲームだということは分かってもらえると思うのですが、ターン開始時に引けるカードは『1枚』です。
ドローカード無しでは非常にスローペースな試合展開にしかならないことは想像がつくと思います。
ただ、デッキを作って対戦をする以上、お互いにやりたいことは、
「作り上げたデッキで理想とした盤面を築き上げ、そしてそれをぶつけ合って勝敗を決める」
であり、これを限られた時間内に試合数をこなそうとすると、ゲームスピードを上げる為にドローカードが必要になってきます。
4.捨てる効果がデメリットとして成り立っている
手札を全て捨てて7枚引く効果なのですが、この「手札を捨てる効果」が、きちんとデメリットとして成り立っているゲームだからこそ許されている。というのがあります。
トラッシュで発動するような起動効果や誘発効果は少ないですし、そこまで強力なものもないです。
また、トラッシュのカードを再利用するカードも条件が厳しかったり制限が設けられたりしています。
要するに「トラッシュが第2の手札」というようなゲームでは無いのです。
これも許されている理由の1つだと思っています。
※オーキドはかせ無制限のデメリット
・多くのデッキにおいて、オーキド4枚採用から構築が始まる
要するに、60枚のデッキ構築が、実質56枚からのスタートになります。それだけ構築の幅が狭くなってしまいます。
ただ、私は制限したところで「別のドローカードが採用されるだけ」という結果にしかならないと思っています。
デッキ切れで決着が付く確率高くないか?
試合数を重ねていくと、旧裏は山切れでの決着が多いことに気が付きます。
主に、場が動かなくなったり、お互いがドローカードを大量に使ってしまった場合に起こります。
自分が使用しているデッキがスローペースなコンセプトでなくても、相手が使用しているデッキがスローペースに巻き込むようなコンセプトだった場合は、山切れでの決着にもつれ込んでしまうこともあります。
こういった場面に遭遇した時の為にも、「サイドを取る為のプレイング」だけでなく、「山切れしない為のカードの使い方」についても知っておいた方が良いと思います。
まずは、汎用カード(デッキに入りやすいカード)での山切れ対策について書いていきます。
夜の廃品回収
モンスターか基本エネルギーを3枚山札に戻すカード
試合中盤~終盤にかけて、序盤~中盤にトラッシュに落ちてしまったカードを再利用する目的で採用されます。
単純に3枚分の山札が回復するので、お互いに山札数ギリギリの戦いに入ってしまった場合は、これ1枚で山切れによる敗北を回避できることもあります。
ただ、序盤に引いてしまった場合に有効に使える場面が少ない為、2枚程入れるのが定番になっています。
ハイペース、もしくはスローペースで動きたいデッキなら、1枚や3枚に増減させたりもします。
ウツギはかせ
手札を山札に全て戻して7枚引くカード。
手札が悪いときに引き直す。
使いたいだけ手札を使い、次ターンの為に手札を7枚の状態に増やしておく。
といった運用をされるドローカードですが、山札回復手段として使われる場合もあります。
例えば、手札を10枚山札に戻してから7枚引けば、単純に山札が3枚増えます。
メノクラゲ、スーパーポケモン回収、エネルギースタジアム、超エネルギー回収、等の「場やトラッシュから手札に加えるカード」で手札枚数を稼いでから、ウツギはかせを使うことで、山札の枚数をさらに増やすこともできます。
山札から2枚引いた後、手札から山札に2枚戻すカード
オーキドはかせを使う前に、トラッシュに置きたくないカードを山札に戻す目的で運用されることが多いカードです。
単純に2枚引けるカードなので、手札が悪い時に山札のオーキドやウツギを探す目的でも使えます。
山札が無い時は使用できませんが、1枚でもあれば使用できる為、1枚引いて2枚戻すことで山札枚数を増やすことができます。
エイパム(neo1)
「もちさる」と逃げ0が優秀なカード
「もちさる」はコインが表だろうと裏だろうと山札を2枚分(エイパムとエネ)回復させることができ、表の時に夜の廃品回収を一緒に戻した場合は、それを使用することで実質6枚分の山札回復をしたことになります。
ポケモンのどうぐ、プラスパワー等も「付いているカード」に含まれる為、これらも付いていた場合は一緒に山札へ戻します。
上で紹介したウツギ、クルミ、夜の廃品回収、に比べると汎用性では劣りますが、山切れ対決に入った場合に、夜の廃品回収とこのカードが1枚デッキにあるだけでかなり有利になります。
また、展開を邪魔しない逃げ0ということもあり、
・デッキのスペースに空きがあるデッキ
・ゲームスピードが遅くなりがちなデッキ
では山切れ対策として採用されることが多いです。
ここまで、山札が無くなりそうになった時の回復手段について書いてきましたが、1番の対策は「無駄にドローカードを使わない」ことです。
ドローカードを使うのは
・展開の選択肢を増やす
・盤面有利を取るために場のカードを増やす
というのが主な目的です。
展開の選択肢を増やし過ぎても、育成(進化やエネ貼り)に制限のあるこのゲームでは手札を持て余してしまいますし、持て余すということは引かなくて良かったということでもあります。
盤面有利を取ろうとしてたくさん並べても、後半になると考えなしに置いてしまったカードが負けの原因になってしまうケースもあります。
この2つは勝つのに必要なことではありますが、やり過ぎてしまうと逆効果になってしまうこともあるのです。
場の状況を見て、こちらが有利なのか不利なのか
山札を減らしてでもでも育成を進めておいた方が良いのか
この辺りを意識しながら、必要な場面でドローカードを使えるようになれば、ドローカードの無駄使いによる山切れは減っていくと思います。
逃げ0って何が優れているんだ?
※ここでは「逃げる時にコストが必要無いポケモン」のことを略して逃げ0と呼びます。
始めたばかりの時に「逃げ0は強い」と聞いてはいたのですが、その時の私には何が強いのかがよく分からなかったので、逃げ0について書いていきます。
私は、逃げ0の1番の強みは「コストを払わずに選択を先延ばしにできる」ことだと思っています。
対戦をしていてバトル場に出すカードを選ぶ時に、
「進化カードを引けるのなら進化前のアタッカーをバトル場に出したいけど、引けないなら壁を出して時間を稼ぎたい」
というような、
「ドローしたカードによっては選択を変えたい」
場面に遭遇することがあると思います。
このような場面でも場に逃げ0のカードがあれば、とりあえずそれを出しておくことで、ドローしたカードが良くても悪くてもターン終了時には現状で最良のカードをバトル場に置くことができます。
もちろん、逃げ0のカード以外をバトル場に出して様子見をしても良いのですが、多くのカードは逃げる為にはコストが必要で、そのコストは「1ターンに1枚しか貼れないエネルギーを1枚以上剥がす」という重いものです。
エネルギーの加速手段が多くない旧裏において、逃げることにエネルギーを使うことは、その枚数のターン分の遅れをとったと言っても過言ではありません。
この重いコストを逃げ0のカードは支払う必要がなく、逃げ0がいるだけで安定してターン終了時に最良のカードをバトル場に置けるというのが強いのです。
バトル場にカードを出すタイミングは、
・試合開始時
・バトル場のカードがトラッシュや手札に移る時
・ポケモンいれかえ、ワープポイント等の入れ替えるカードを使った時
・ワープポイント等のカードを使われた時
など色々あります。
自ターンであればとりあえず逃げ0を出しておけば良いでしょう。
逆に、相手ターンであれば状況を見て判断しないとサイドを取られることに繋がります。
また、旧裏時代には逃げることに回数制限は無いので、アタッカーや壁ポケモン以外の「バトル場に置きたくないカード」をバトル場に一時的に置くことには基本的にデメリットがありません。
ただし、特訓ジム、でこぼこジム、フォレトス(neo2)等のカードには注意しましょう。
他にも
・ベンチに逃げることで、状態異常の毒を簡単に回復できる
・ベンチに逃げ0がいれば、「ポケモンいれかえ」が「なんでもなおし」のように使える
・ベンチが逃げ0だけの状態であれば、「ポケモンぎゃくしめい」を実質デメリット無しで使用できる
などの強みもあります。
今回はこれで終わります。